後付けも可能!落雪を防ぐ「雪止め」について解説
投稿日:2024年10月17日
屋根の端のところに少し出っ張った金具がついているのを見かけたことはありませんか?
これは屋根に積もる雪が滑り落ちてくるのを防ぐ「雪止め」という金具です。
「雪なんてめったに降らないから大丈夫」
そう考えている方に、ぜひご検討していただきたいです。
「雪止め」は後から取り付けることも可能ですので、こちらでご紹介する雪止めについてご覧になっていただき、雪止めの必要性をぜひ押さえていただきたいです!
屋根に積もった雪が落ちてくると危ない!
屋根に積もった雪は太陽の熱で少しずつ溶けてきます。
そのまますべて溶けてしまえばいいのですが、残った雪が屋根から滑り落ちてくることも。
現在では温暖化の影響で雪が降ることも減ってきたと感じるかもしれませんが、それでも一年に数回の頻度でも毎年落雪事故の被害が報告されています。
屋根に積もった雪が意外と重量があることをご存知でしょうか?
建築基準法では、雪の重みで建物に不具合が出ないように計算して設計されています。
一般地域では200kg/㎥、多雪地域では300kg/㎥を想定して計算します。
雪の重量は雪の質でも変わります。
雪質 | 状態 | 1㎥の重量 |
新雪 | 降ったばかりの雪 | 50〜150kg |
こしまり雪 | 降り積もってやや固い雪 | 150〜200kg |
しまり雪 | 降り積もる雪の重みで全体がしまった状態 | 250〜500kg |
ざらめ雪 | ざらざらした氷粒の状態 | 50〜150kg |
ここまで雪が降ることは稀かもしれませんが、近年では降雪地域以外でも20cmを超える大雪が観測されています。
建物自体が潰れることはありませんが、雨樋が雪の重みで落ちてしまったり、カーポートが歪んでしまったりする被害が出ています。
また、人がいるところに雪が落ちてきたら大変に危険です。
滑り落ちてきた雪が敷地を超えてお隣にまで被害を与えることも起きています。
ご自宅の損壊だけでなく、ご近所や通行する人にも影響を与えてしまうため、めったに雪が降らないとしても、しっかりと落雪を防ぐ対策を行なっていることが大事です。
屋根からの落雪を防ぐ雪止め
雪止めは屋根に設置する落雪を防ぐための金具です。
軒先から45〜60cm程度のところに取り付け、雪止めのところで積もった雪が堰き止められ、太陽の熱で徐々に溶かす仕組みです。
すべての屋根に取り付けられるかというと、設置不可な屋根もあります。
アメリカでシェアが高いアスファルトシングルは、屋根材自体が非常に柔らかく、積雪荷重に耐えられないため雪止めを設置することができません。
また、ほぼ勾配がない陸屋根でも雪止めを設置できません。
近年ではガルバリウム鋼板の金属屋根が人気です。
横葺きだと雪止めは先付け専用となりますので、後から雪止めを取り付けておけばよかった、なんてことがないようにご注意ください。
屋根材 | 雪止め設置可否 |
スレート | ○ |
瓦 | ○ |
金属屋根 | ○ |
横葺き屋根材 | × ※先付は設置可 |
アスファルトシングル | × |
陸屋根 | × |
雪止めの種類
金具タイプ
金具タイプは屋根材の重なりに差し込んで取り付けます。
L型や扇型、羽根型など形状に種類があります。
もっともよく見られる一般的な雪止めでして、後付けの雪止めも金具タイプになります。
アングルタイプ
屋根に沿って設置される棒状の雪止めがアングルタイプです。
間に隙間ができないため、屋根全体で雪を堰き止めることが可能です。
金具タイプよりも落雪を防ぐ効果が高いと言えますが、設置に手間がかかり、施工コストが高い傾向です。
雪止め瓦
瓦と雪止めが一体型になっているのが雪止め瓦です。
瓦の質感や風合いを損なわず、交換も容易です。
今では建築基準法の改正により、瓦の釘留め固定が義務化されておりますので、まだ済んでいない方は、ぜひこのご機会にご検討してみてください。
ネットタイプ
太陽光パネルのある屋根や雪がある程度多い地域に適しているのがネットタイプの雪止めです。
フェンスのような金網を広範囲に設置し、摩擦を多くして落雪を防ぎます。
金具タイプやアングルタイプに比べて落雪防水の効果が高く、後付けも可能です。
雪止めは後付けも可能!
ここまで雪止めについて解説してきました。
屋根に積もった雪はかなりの重量があり、上から落ちてきたら大変に危険です。
被害にあってからでは遅いですから、雪止めを後付けすることも可能ですので、もし今の屋根に雪止めがないのでしたら、新たに雪止めの設置をぜひご検討してみてください。
雪止めの設置をどこに依頼すればいいかわからないという方は、地域環境に詳しい地元の屋根業者に依頼することをおすすめします。
地域の特性に詳しければ、状況やお客様のご要望に適したご提案ができるかと思います。
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